
数十年間にわたって劇作家・演出家として活躍する竹内銃一郎氏が立ち上げた新たな企画“あと3年、あと5本”の第一弾として熊本初公演となる『今は昔、栄養映画館』。
その見どころや意気込みについて本人直撃インタビュー。
竹内氏の本格舞台出演は1990年に上演された柄本明劇団の『陥没』(作・演出 岩松了)以来29年ぶりだそう。
今回立ち上げた企画の「あと3年、あと5本」というキャッチに込められた思いは?
ずるずるやっているのが嫌で、区切りをつけて集中してやろうと思ったんだ。今までのようなやりたいときにやればいいというスタンスでは永遠にやらないかもしれない。それもいいけど、自分がやったことの集大成というか、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいと思ったんだよ。
日本の演劇界に対して私ができることはほんのちっぽけなことにすぎないけど、私の芝居を見て演劇をしたいと思っている人、あるいは全く思ってなかったけどこれ見て芝居っておもしろそうだなって思ってくれた人達が刺激を受けて、「俺もやってやる」っていう人が出てきてくれたら嬉しい。
あと何年生きるか分からないけど、最後の力をそこに全部降り注いで、なおかつまだやり残したことがあると思ったら続けるし、もうこれでやりきったなとか、これ以上のことができないと思ったらもうやめようと思う。
いずれにしても最後は自分で終止符を打つよ。
自分がこれまでやったことのないことをやろうと思う。“未知なる道”だよね。私はこれまでこんなにセリフがいっぱいあるような芝居に出演したことがなかったから、これもいい年こいてやりたいなって思った。
「あと3年、あと5本」の企画第一弾が『今は昔、栄養映画館』ですが、これを選ばれた理由は?
まずはやっぱり、自分にとって刺激のあることがやりたいと思ったから。
演出家の立場の自分が俳優に要求していることがどれだけ正当性があって、どれだけ困難なのかを自分で1回試してみたいなって前からずっと思っていた。
この芝居は2人でやるからとにかくセリフが多い。
セリフを覚えるのももちろん大変だけど、それ以上に身体の動きの方がもっと大切。
例えば、僕は電話で喋るシーンが結構多いんだけど、この時にもう一人が何していたらいいのかが結構難しい。
腕を組んできいていればいいのか、お尻をかきながら聞いていればいいのか、これは適切なチョイスをしないと舞台の空気が緩んじゃうよ。

演出として指示をだされるのと、実際動くのは結構違う?
もちろん、今そこまで頭がまわってないもん(笑) セリフを覚えるので精一杯。
舞台出演が29年ぶりということですが、演じる側としての意気込みは?
この舞台はね、結構有名な人が演じてくれている。
一番有名なのは石橋蓮司さんと柄本明さん。
実際に見に行ったよ。
あのレベルにまでは行きたいね。
あくまで行きたいと思ってるだけだから、行けるかどうかは別問題だけどね(笑)

熊本公演の見どころは?
この芝居は現実とはちょっと違う。
何が違うかって、時間がなかなか進まない。
映画の完成レセプションをやるんだけど、あと5分で始まるっていうのにお客が全然来ない。
いつ来るか分からないお客を監督と助監督が待っているというシチュエーション。
その5分が永遠と続くんだよ。
「まだあと5分ある」とか、「もう5分しかない」とか言いながら。それは現実では絶対ありえないことだよね。
だって実際は1時間経ってるんだから。
長めのコントだと思ってもらいたい。
くだらないっていえばくだらない。でもおもしろいっていえばおもしろい。
切ないところもあれば楽しんで笑えるはず。私たちがちゃんと演じられればですけどね(笑)
Information
2人舞台『今は昔、栄養映画館』が今秋、熊本で公演!
- 開催期間
- 2019/10/19 19:00~
2019/10/20 14:00~ - 会場名
- studio in.K.
- 会場住所
- 熊本市中央区国府1-21-3 ブラザービル3F
- 料金
- 一般:前売2,700円 当日3,000円
25歳未満及び60歳以上:前売2,000円(入場時身分証明書を確認) - 問い合わせ先
- キノG-7
- 問い合わせ先
電話番号 - 075-555-7562
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