
熊本地震
2016年4月、私は東京にいて報道で伝わってくる熊本の情報を見守るしかありませんでした。
2011年、東日本大震災の際は東京もそこそこ揺れ、食器が落ちたり棚が崩れたりしましたが、熊本の震度7は想像を絶します。しかも日々頻発する余震の数はこれまで聞いたこともありません。揺れるたびに生きた心地がしないであろう故郷の家族や友人たちの事を思うと気が休まりませんでした。
熊本城を見に行ったのは震災後3週間程たってからですが、遠目に見ても明らかな被害状況でした。敷地内は立ち入り禁止でしたが、周辺を回ると次々に惨状が目に入ってきます。幼い頃から馴染んでいた熊本城の痛々しい姿に絶句しました。故郷に帰ればいつでも見られると思っていた景色が無くなっていたのです。
町の中も歩いてみましたが、いたるところ休業の張り紙や立ち入り禁止の看板があり、建物の中の深刻な状況が伝わってきました。
震災後、いろいろな支援活動の動きが耳に入ってきます。自分に出来る事は何かあるだろうか?と考えている時に現美からミニチュアによる熊本城再現という提案をいただきました。それなら自分の技能を役立てると思い、「やりましょう!」と即答しました。
私が所属する特撮研究所の社長であり、戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの特撮監督を長年担当している佛田洋君も、熊本出身で小中学校の同級生です。熊本支援のチャリティとしてやるいうことで社長に快諾をもらい、企画プランをスタートしました。



