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三池敏夫監督の連載日記 ⑤ 文・写真/三池敏夫

~「熊本城×特撮美術 天守再生プロジェクト展」~熊本市現代美術館にて3/18(日)まで~

  • 情報掲載日:2018.02.19
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

ミニチュアのこだわり

 「マーブリング・ファインアーツ」の伊原弘さんが熊本城、宇土櫓、阿蘇神社のすべてを設計し、組み立てから塗装に至るまで4ヶ月フル稼働で製作を進めてくれました。長年仕事をお願いしてきましたが、これまで以上の入れ込みです。その集中ぶりは完成品を見ていただければ一目瞭然だと思います。
 また、市電の製作と現美でのセット飾りには、同じくマーブリング所属で玉名出身の有働英雄君が尽力してくれました。予算の実情で言うと、実は市電や電停がこれほどリアルに出来るとは思っていませんでした。これまた期待以上の出来栄えです。
 映画の現場は、とりわけ被写体を作る美術パートにとって常に時間と予算との闘いです。与えられた条件の中で最高のものにしようと、作り手は努力を惜しみません。今回も皆ベストを尽くしました。
 クリエイターがほどほどで手抜き仕事をしたら、お客さんに感動を与えることは出来ません。
 それは、特撮美術の開拓者であり私の師匠の井上泰幸デザイナーの教えでもあります。世界の円谷英二特技監督を陰で支えた井上さんとその助手たちが不眠不休で働いた結果が、ゴジラシリーズをはじめとする東宝特撮映画の特撮セットです。彼らが毎日夕方で仕事を終えていたら、世界を驚かせるような凄いセットは出来なかったのです。
 働き方改革が叫ばれる今日、条件さえ整えば楽なペースで働きたいものです。しかし、この世界に入って30数年、大作映画もたくさん担当しましたが、美術に余裕たっぷりの潤沢な予算が与えられたと感じたことはほぼ皆無です。とはいえ元から好きで始めた仕事です。作品を良くするためには、多少の重労働は喜んでという姿勢でこれまでやってきました。(次回へ続く)

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