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三池敏夫監督の連載日記⑫ 文・写真/三池敏夫

~「熊本城×特撮美術 天守再生プロジェクト展」~熊本市現代美術館にて3/18(日)まで~

  • 情報掲載日:2018.03.15
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

セットプラン

 私はこれまでどの作品でも完成イメージを具体的なセッティング図解を描いて説明するよう心がけてきました。舞台の広さと高さ、空の背景の範囲とイメージ、そこに飾られるミニチュアの物量、作業や撮影上必要なポイントなど、描きこめるだけの情報を絵の中で具体化します。
 それは、参加者全員に何をやるべきか一目瞭然にわかってもらいたいからです。特撮の現場がプロ集団であっても、必ずしも経験豊かなベテランだけではありませんし、途中参加でスタッフが増えるという場合もありますから、誰もがすぐに理解できるプラン図を描きます。
 私は常に、現場を効率重視で無駄なく進め、尚且つ安全第一でやりたいと思っています。ただし、私のプランがいつもベストと思っているわけではありません。具体案を描くことによって各部の事情や不都合など、違う立場からの意見を出してもらうたたき台にもなるわけです。
 なぜこのスタイルに定着したのか。私が下っ端の助手の頃でした。昔の先輩は忙しさに追われてなかなか新人に説明してくれません。何度も違う方法を繰り返した末に徒労に終わることが多々ありました。時間も予算も無駄にして挙句の果てに怒られるのは下の人間。とにかく理不尽でした。そんな経験があって、セットプランを任される立場になってからは、みんながわかるような絵を描くようになったというわけです。
 美大には行けなかったので、絵に関しては独学です。ただ私が学生の時代には、ハリウッド映画のアートブックや日本のアニメーション作品の背景画集は地方でも簡単に手に入るようになっていたので、そこから吸収したものは大きいです。一流アーティストの絵は素晴らしいお手本になりました。そしてこの世界に入ってからは、師匠や先輩の絵を見よう見まねでとにかく描き続けました。数を描くうちに、図面も絵も何とか様になってきたという感じです。 (次回へ続く)

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