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みなまたあしたきたくなる 食を巡る水俣・芦北の旅

Vol.7 津奈木生まれのカキがたくさんの思いを“つなぐ”

  • 情報掲載日:2020.03.09
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

熊本の県南に位置する芦北・津奈木・水俣エリアは豊かな海や山がある『食材の宝庫』。この連載は、その時期に旬の食材の生産者と、その食材を使った料理を提供するお店を紹介するシリーズです。
取材協力:水俣・芦北観光応援社

「津奈木町に特産品を」。
地域の未来を託したカキ

 水俣市と芦北町に囲まれ、青々とした不知火海を望む津奈木町。
温暖な気候と豊かな自然が印象的な津奈木町ですが、数年前より町を賑わせているものがあります。
それが津奈木産の「カキ」。
このカキは小ぶりではあるものの、身がぷりぷりで濃厚な味わいが特徴。
2年前には「つなぎオイスターバル」も誕生し、県内外からカキを目当てにやってくる客が激増しているそう。

 そんな津奈木町でカキ養殖に取り組む新立伸哉さん。
元々父親が漁師で養殖をしていた事や、津奈木町で特産品を作って町を盛り上げたいという流れがあり、カキ養殖をしないかと声をかけてもらった6年前より始めたそう。
そもそもカキの養殖は、手間隙かけた作業がとても多いことで知られています。
カキ種の調達、間引、設置、脱貝などを経て収穫に至ります。
そんなカキ養殖ですが、津奈木町のように温暖な気候でのカキ養殖は他の地域と比べて大変なもの。
温暖な気候なほど、海綿やホヤなどの不純物がいっぱい付いてしまうのだそう。

「大変だけど、その分育て方次第で大きく美味しいものになる。だから楽しいんだと思います。津奈木に応じたやり方を模索しつつ、毎年ダメなところを発見するので、来年はこうしようという課題を見つけて取り組んでいますよ」。

これから4月にかけて旨みが増していくそう
これから4月にかけて旨みが増していくそう

新立さんの作るカキは身がパンパンに詰まり、濃くクリーミーな味わいが自慢。
オイスターバルを始め、少しずつ町内で取り扱う飲食店も増えているそうです。
さらに今現在、取り組まれている事があるとの事。
「この辺りは冬の特産物ばかりなんです。だから夏に強い岩ガキに興味を持って最近養殖を始めたんですよ。今のところ順調に育っているので、今年の夏以降食べられるようになったらと思っています」。

すくすくと育つ岩ガキ
すくすくと育つ岩ガキ

さらに叶えたい夢の話は続きます。
「真カキも岩ガキも津奈木町の特産品となり、地元の店でもたくさん取り扱って、みんなで盛り上げていけば、自然と漁場は広がり、若い世代にも繋がると思うんです。そのうち、地元に帰ってきてやってみたいって人も出てくるはず。町を活気づけるために、やりたい人がいれば全力で協力したいと思っています。いつでも津奈木町に来たら美味しいカキを食べれる、そんな環境を作っていければ最高です」と力強く語ってくれました。

津奈木町に活力を与える
カキの盛り上がりとは

 津奈木町の新名物になりつつあるカキを提供しているお店『とれびあん』。
津奈木の名産品などを多く取り扱う『つなぎ百貨堂』の2階にあるカフェレストランです。
こちらでは津奈木産のカキを使った漁師飯風のパスタ“ペスカトーレ”がじわじわと人気を集めています。

ぷりぷりの真カキと足赤えびを主役に、石えびやイカなど、不知火海で漁獲・養殖された海の幸をふんだんに盛り込んだ一品。
カキや海老から出る魚介のダシがたっぷり溶け込んだトマトソースに麺をからめれば、胃袋が鷲掴みにされたような贅沢な美味しさを堪能できます。

「地元のものをたっぷりと使ったパスタは、町内の人はもちろん、県内外の人からよくオーダーが入りますよ」と話すのはオーナーの津々木すず子さん。
津奈木産のカキは、身は小ぶりだが、ジューシーでクリーミーな味わいがお客さんにも喜ばれているそうです。

 また、津奈木町のカキがこれほど注目を集めるきっかけとなったのが、『つなぎオイスターバル』の存在です。舞台は廃校になった小学校(旧平国小)。
2018年1月よりスタートした洋風バルスタイルのカキ小屋は、不知火海を一望できる眺望と、趣向を凝らした食べ方で評判となり、昨年はオープン期間の4ヶ月で2500人ものお客さんが来たのだというから驚きです。

「元々は同じ町内の別の場所にあったんですが、2年前にこちらに移りました。この場所は景色が何よりも自慢。青い海を横目に食べる焼きガキは、本当に絶品ですよ」と、手応えを感じる様子で話してくれたのは、ここを管理する津奈木漁業協同組合の宮山徹さん。

また、こちらの特徴は景色だけではないのです。
一番の個性はその食べ方にあります。
焼いたカキに合わせるのは、ガーリックバター・焦がし醤油・ゆずこしょうの味が付いたパン粉のトッピング。カキの味を損なわず、濃厚なカキの旨味を底上げしてくれます。
さらにカキのペースト入りバジルソースが付く手作りパンのセットも、女性を中心に人気を博しています。

「この景色と合う洋風のカキ小屋にしたいという事もあって、知人のアドバイスを元に作ったトッピングがカキとマッチし、今までのカキ小屋では味わえないようなテイストを楽しめるとあって、さまざまなお客様に喜んでいただけています」。

オリジナルのバジルオイルも発売中
オリジナルのバジルオイルも発売中

現在、1月〜4月末までの4ヶ月間の土・日曜、祝日のみという限定オープン。
日を追うごとに訪れている人は増えており、津奈木町の賑わいに一役買っているようです。
今後は席数の拡大や、オリジナル商品の開発などを予定しており、ますます津奈木町を盛り上げていきそうです。

津奈木町で少しずつ人々の心に火を灯しつつあるカキ。
「地元の物を大切に盛り上げていきたい」という気持ちは、今も昔も変わらないようです。

とれびあん

Information

とれびあん
住所
葦北郡津奈木町大字岩城1601
電話番号
0966-78-3910
営業時間
11:00~16:00(火曜は~14:00)
休み
不定
駐車場
あり
つなぎオイスターバル

Information

つなぎオイスターバル
住所
葦北郡津奈木町大字福浜3503(旧平国小学校)
電話番号
0966-78-2015(津奈木漁業協同組合)
営業時間
10:00~16:00(4月末までの営業、カキが無くなり次第終了)
休み
月~金曜
駐車場
20台

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