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【コラム】酔い子はもっぱらひるのみ派。

(飲み助の夢は昼ひらく、)

  • 情報掲載日:2020.01.23
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。
編集者・ライター:福永あずさ

宮崎県出身。“飲フルエンサー”になりたい35歳。出張先でのランチビール、校了明けの昼ワイン、友人たちとの昼ポン酒(日本酒)に、生きる力をもらう日々。

 「夫が起きてきませんように」。丑三つ時、どきどきしながら自宅のドアを開ける。さも24時前には帰って寝てましたけど、と言わんばかりに(夫はとっくに寝ている)、何食わぬ顔で翌朝を迎える。「昨日は3時だった? また遅かったんだね」と笑顔で言われる恐怖といったらない。朝食の食パンは昨日より硬く、うちのコーヒーってこんなに苦かった?と感じるほど。「えへへ」とあやまりつつ、脇汗たらり。猛省。のち、またやらかす。ループ・アンド・ループ。もういい大人なのに、飲酒と朝帰りだけはやめられない。1分でも長く飲みたい。だったら時計の針を巻き戻して、昼から飲みはじめればいいんじゃないか。そして10時くらいまでにお開きにすれば、家庭の平和を守れるんじゃなかろうか。「不良」のわたしを“酔いこ”にするために。最近はひるのみを推進している。

 昼の3時から開いているお気に入りの小料理屋がある。大きな天窓から差し込む気持ちのいい陽の光が、飲み助たちの表情をいつもより明るく照らしてくれるようで、そこでのひるのみは毎回、大いに盛り上がる。窓の向こうに広がる青空を眺めながら、カウンターで冷えたワインをちびちびやり、ひとりで誰かを待つ時間も好きだ。古い雑居ビル、あおあおとした空、女店主との何気ない会話、午後3時の白ワイン……。ちっぽけな悩みもそうでないものも、グラスのなかの泡にシュワリとはじけて消え、いわゆる「ととのっている」状態になる。その店には、ひるのみを楽しむ大人が次々にやってくるのだが、そんな秘密の社交場に身を置いていると、生きとし生けるものすべてに感謝したくなってしまう。夜中3時のワインより、お昼3時のそれのほうが全身に“じゅんわり”しみわたるのは、気のせいではないと思う。

 ところで、おなじみのメンバーとの飲み会は、この年になるとけっこうマンネリ化してくることが多い。そこで、「昼から飲みませんか?」と提案してみる。みんなおそろしく返信が早い。「えっ、昼!? いいね! どこにする?」……あらら? そうなの? みんなも本当は昼から飲みたかったの? そうなら早く言ってよ。昼から堂々と飲む機会が、年に1度の花見くらいだなんてもったいないよ。ひるのみ=自由、お決まりの作法なんてない。そして、それは「飲み会」じゃなくてもいい。ランチのスパイスカレーにクラフトビール、天ぷらそばに日本酒のぬる燗、ラグーソースのパスタにナチュラルワイン、チーズケーキにフルーツサワー。そんなペアリングの口福に、もっともっと浸ってほしい。「ひるのみってこんなに楽しいんや!」と心酔する酒飲みを一人でも増やしたいなと思う、今日この頃の“酔い子”なわたしです。


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