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食にこだわる生産者

【食にこだわる生産者vol.1】『坂本農園』坂本恭平さん

  • 情報掲載日:2019.11.16
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

国内でも稀にみる水のおいしさを誇る私たちの熊本県。野菜や果物などにとってこれ以上なく恵まれた環境の中で、常に安全安心な食の提供に研究と努力を惜しまず、最高品質を目指す農業生産者を紹介しています。

「自然と対話しながら、自然に感謝しながら美味しいみかんを作っています」

『坂本農園』坂本恭平さん(写真右)。『坂本農園』三代目。幼い頃からみかんが大好きで、18歳から就農し14年を迎える。三兄弟の長男。写真中央は次男の裕太郎さん、左は三男の文人さん。11ヘクタールの農園を仲良く切り盛りしている
『坂本農園』坂本恭平さん(写真右)。『坂本農園』三代目。幼い頃からみかんが大好きで、18歳から就農し14年を迎える。三兄弟の長男。写真中央は次男の裕太郎さん、左は三男の文人さん。11ヘクタールの農園を仲良く切り盛りしている
傾斜、寒暖差……祖父から続く、立地を活かしたみかん作り

 河内のみかんと言えば、海からの潮風を受けミネラルがたっぷり……という印象。では、潮風がないと美味しくないのか?と言われるとそんなことはない。それを実証しているのが、海とは真逆に位置する芳野地区。上熊本駅から車で約10分ほどでたどり着くこの地区は、近頃若手のみかん農家が増えているというから興味深い。今回お邪魔した『坂本農園』は、三代続くみかん農園で、11ヘクタールの農園を管理し、毎年220トンの温州みかんを出荷している。現在は、長男の坂本恭兵さんをはじめ、次男の裕太郎さん、三男の文人さんの三兄弟という、若者たちが汗を流している。

標高250メートル。眼下に熊本市を望む立地にある農園。温州みかんが約8割を占める。その他に、はるか、不知火、梅、柚を育てている
標高250メートル。眼下に熊本市を望む立地にある農園。温州みかんが約8割を占める。その他に、はるか、不知火、梅、柚を育てている

 まずは、芳野地区のみかん作りが盛んな理由を尋ねてみると、この土地ならではのメリットが見えて来た。「芳野地区は、標高250メートルに位置し、傾斜が急なのが特徴です。標高の高さは、朝晩の温度差を生みます。この温度差の上下が広ければ広いほど、甘みが増し、美しい黄色いみかんになるんです」と恭兵さん。続けて、「傾斜が急なのは、水はけの良さを生みます。正直、作業をするのは大変ですが、地中の水は味を決める大きなポイントなので、この立地は恵まれているんです」。
 植物には水が欠かせないもの。たっぷりあげたほうが美味しくなるのでは?と考えがちだが、実は反対だという。果樹にとって水は嬉しいものだが、「美味しい」となると話は別。「ストレスを与えると美味しくなる」というのだ。要するに、地中に水を溜めすぎず、傾斜のおかげで程よい水はけを自然と行える立地は、美味しいみかん作りには欠かせないというわけだ。なぜ、みかん農園が山の傾斜に段々畑のように点在するのか? 当たり前に見ていた景色には理由があり、そのひとつが「水れば広いほど、甘みが増し、美しい黄色いみかんになるんです」と恭兵さん。続けて、「傾斜が急なのは、水はけの良さを生みます。正直、作業をするのは大変ですが、地中の水は味を決める大きなポイントなので、この立地は恵まれているんです」。
 植物には水が欠かせないもの。たっぷりあげたほうが美味しくなるのでは?と考えがちだが、実は反対だという。果樹にとって水は嬉しいものだが、「美味しい」となると話は別。「ストレスを与えると美味しくなる」というのだ。要するに、地中に水を溜めすぎず、傾斜のおかげで程よい水はけを自然と行える立地は、美味しいみかん作りには欠かせないというわけだ。なぜ、みかん農園が山の傾斜に段々畑のように点在するのか? 当たり前に見ていた景色には理由があり、そのひとつが「水はけの良さ」。先人の知恵とは、本当に驚くことばかりだ。

一つひとつ手作業で収穫。 急勾配だからこそのメリットの反面、 作業はひと苦労……
一つひとつ手作業で収穫。 急勾配だからこそのメリットの反面、 作業はひと苦労……
経験の共有とチャレンジの連続。一枚岩でさらに美味しく

 生まれた時からみかん農家の坂本家。三兄弟は幼い頃から、祖父母や両親の背中を見て育った。「大変そうだなとは思っていましたが、それよりみかんが好きで農家になりました」と口を揃えて話す。そういえば、農園にお邪魔した際には文人さんはみかんを食べながら登場。取材前日には、品質チェックのために、60アールの農園の全ての木になるみかんを食べていたという。まだ10ヘクタール近く農園があるから……、この三人の体は、ほぼみかんで出来てそうだ(笑)。
 幼い頃からあまり喧嘩もせず仲が良かったという三人は、まさに「美味しいみかん作り」のために一枚岩になって取り組んでいる。あうんの呼吸で作業を行える面もあるが、日々の情報共有、アイデアの出し合いなど、コミュニケーションも大事にしている。「そんなことないですよ」と謙遜するが、こんな三人の姿を見てか、ここ10年で若手農家が増えていくことに。
 地区自体も一枚岩にという想いから、芳野地区と植木地区の農家が集まり『味咲(みさき)』という販売会社を設立。父・清一さんが代表を務めている。「月に1回程度、勉強会を行ったり、先輩方のお話を聞いたり、若手同士で情報交換を行ったりしています。年に1回しか実践ができないので、この情報がとてもありがたいです」。知識を深めながら、自分たちなりのチャレンジを忘れず、今年は、雨が多い夏を予想し、普段よりも半月以上も早く、防水マルチを張った。これによって、先ほどもあったような水分調整がうまくいき、周囲のみかんよりも糖度が1度高いという結果に繋がったのだ。

東京に出荷される“汐みかん”の パッケージ。三兄弟の写真がポイント
東京に出荷される“汐みかん”の パッケージ。三兄弟の写真がポイント
みかんが大好きな三兄弟の熱い思いが、みかんを美味しくする

 「みかんが好き」。この純粋な想いで日々、みかんと向き合い続ける三兄弟。育ったみかんたちは、『ゆめタウン』や城南の『火の君マルシェ』、熊本市内の学校給食に出されるが、多くは県外・海外へ出荷される。「東京では〝汐みかん〟という名前で、私たち3人の顔写真入りで販売されています」と、県外でのブランド化も順調のようだ。
 「味が落ちれば、もちろん取引は無くなります。常に危機感はありますね。将来の夢は『坂本農園のみかんは全部美味しい』と言われること。だから、全ての木のみかんを試食し、自分たちの舌でチェックすることを怠りません」。自然相手の仕事だからこそ、どうにもならないこともあるが、その自然を先読みする力も必要なのだ。
 こう書いてしまうと大変さだけを感じてしまいがちだが、「現在は、需要と供給のバランスが良く、しっかりと利益につながっています。高齢化によって耕作放棄地も増えているので、『利益になる』ということを知ってもらい、就農者の増加に繋げられたらと思っています」。力を合わせてコツコツと重ねていく日々の努力は、しっかりと利益に繋がることを体現している三兄弟。これは、後継者不足を抱えるみかん農家業界の将来を明るく輝かせるきっかけになるだろう。

株式会社 坂本農園

※直販なし
【販売先】『ゆめマート』(熊本市内)、『火の君マルシェ』(城南)

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