1. Home
  2. グルメ
  3. 【食にこだわる生産者Vol.2】『山川農園』山川 登さん

食にこだわる生産者

【食にこだわる生産者Vol.2】『山川農園』山川 登さん

国内でも稀にみる水のおいしさを誇る私たちの熊本県。野菜や果物などにとってこれ以上なく恵まれた環境の中で、常に安全安心な食の提供に研究と努力を惜しまず、最高品質を目指す農業生産者を紹介しています。

  • 情報掲載日:2019.12.15
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

「品質向上と共に、価値を上げるための情報発信も行っています」

『山川農園』山川 登さん(写真中央)。農家の実家で育った三代目。農業大学を卒業後、本格的にこの世界へ。「美ニンジン」を目指し、奥様の加奈子さん、次男の啓太さんと3人でチームワーク抜群で作業にあたる。ニンジン愛あふれる人。
『山川農園』山川 登さん(写真中央)。農家の実家で育った三代目。農業大学を卒業後、本格的にこの世界へ。「美ニンジン」を目指し、奥様の加奈子さん、次男の啓太さんと3人でチームワーク抜群で作業にあたる。ニンジン愛あふれる人。
たばこ農家から転身。時代の変化とともにニンジン農家へ

 30年ほど前までは、大きな葉をつけ、背丈以上の高さまで延びた「たばこ畑」が一面に広がっていた菊陽町。時が流れ、外国たばこの輸入の自由化により、国産たばこの生産・消費は激減。多くの葉たばこ農家は辞め、新たな作物に取り組むようになった。とはいえ、生産量は激減したものの、現在も熊本は全国的に上位を占めている(全国たばこ交錯組合中央会・平成26年度実績より)。

 今回お邪魔した『山川農園』も、その中の一軒だ。山川登さんが、大学卒業後、実家を継ぐために本格的にこの世界に入った頃が、ちょうどそのタイミングだったと言う。そこで取り組み始めたのが「ニンジン」というわけだ。「ニンジンの進化は早いですよ。種子のコーティングや、機械化などによって生産量はめまぐるしく増えていきました」と登さん。イチから関わっていただけに、その進化を体感しているのだ。

 登さんの話に出てきた「コーティング」とは、いわゆる種子加工技術のこと。「間引く」作業をご存知の方は多いだろう。いびつなカタチをしていた種子を均等に畑に撒くのは難しい。多めに撒くため、発育段階で土の中でギュウギュウと大渋滞を起こしてしまう。すると、のびのびと育つことが出来ず品質に影響してしまうのだ。この手間を省くために開発されたのが「タネのコーティング」だ。ニンジンの場合、タネに天然素材をコーティングして大きさを均等にすることで等間隔で作付けが出来るようになるというわけだ。

 機械化もめまぐるしい。「今では、耕す、植える、ポールを立てる、収穫・・・・・・ち、幅広く機械を活用しています」。そのため、『山川農園』では、繁忙期以外は登さん夫婦と次男の啓太さんの3人で作業にあたることが多く、春と秋の2シーズンで、年間200~300トンのニンジンを出荷しているのだ。

フカフカの土でのびのびと育ったニンジンたち。茎や葉まで美味しそう
フカフカの土でのびのびと育ったニンジンたち。茎や葉まで美味しそう
フカフカの土で育った色・艶・カタチが美しい「美ニンジン」

 味はもちろん、見た目も大事なニンジン。『山川農園』では、春・秋で数え切れない中から、紅ひなた・愛紅・ベータリッチなど8種類の品種を手がけている。それぞれの持つ特徴を活かすために用意するのが「フカフカの土」という。堆肥を散布後、緑肥を加え、土中に空気の層を保つ。とにかく、成長する際にストレスを与えないことがポイントで、のびのびと育つためにコーティングされた種子を6センチ間隔で撒いている。さらに、作付けのタイミングは、天気とにらめっこ。「秋ニンジンは10月下旬~2月末と長期間に渡ります。作付け後、雨が降ると土の表面が固まってしまい発芽の際にストレスに・・・・・・。せっかくフカフカの土を作っても台無しです」。ただし、作付け後9日間は大量の水が必要という。まさに、雨に喜び、雨に泣かされる・・・・・・。この時期は、本当に気が抜けないという。

収穫したてのニンジン。「新鮮なニンジンは生が一番」と奥様。そのままつまみ食いすることも(笑)
収穫したてのニンジン。「新鮮なニンジンは生が一番」と奥様。そのままつまみ食いすることも(笑)
品質・働き方改革 ブランディングで後継者問題も解決

 「菊陽=ニンジン」というのは、ゆるキャラもいるし、少しずつメジャーになってきているが、まだまだ認知度が低いと嘆く登さん。「火山灰を含み水はけの良い菊陽の土は、ニンジン作りに恵まれています。春・秋の2回収穫できるのも強み。『山川農園』としてはもちろん“菊陽ニンジン”としても、もっとアピールしてブランド価値を上げていきたい」。そのため、山川夫妻は、SNSによる発信を頻繁に行っている。日々の畑の写真、地域の取り組み、ニンジン話に白熱する飲み会のことなど(笑)
 「気づいたらニンジンの話ばかり。でも、実は主人はニンジンが苦手なんですよ」とこっそり教えてくれたのは奥様の加奈子さん。衝撃の発言・・・・・・。登さんは、「私は、色・カタチなど見た目にこだわり、妻が味にこだわるってことで、担当分けしています(笑)」。なるほど、チームワークで乗り切っているのだ。

 笑いが絶えない山川夫妻の跡を継ぐのは、同じく農業大学を卒業後、共に働いている次男の啓太さん。そして長男は、種子の研究開発を行う会社で働いているという。後継者不足が叫ばれる中、山川家は問題なさそうだ。その秘訣を尋ねると、納得の答えが返ってきた。

 「機械化が進み、全て手作業だった頃とは働き方が変わってきました。それに伴い生産量も増えるので収入も上がる。次の世代にスムーズにバトンタッチするために、環境を整え、しっかり儲かることも大事です」。確かに、近ごろの農家さんたちはお洒落だ。奥様方も、綺麗に化粧をして作業をしている姿を見ることが多い。生き生きと働く姿を見れば、おのずと後継者や新規就農者も増えるだろうという考えだ。まさに、「農家の働き方改革」の成功事例のひとつだろう。

気さくな山川夫妻。農機具メーカーのスタッフとも家族のように付き合い、抜群のチームワーク力でニンジン作りに取り組む
気さくな山川夫妻。農機具メーカーのスタッフとも家族のように付き合い、抜群のチームワーク力でニンジン作りに取り組む
山川農園

Tel.090-1971-0355
Facebook「Noboru Yamakawa」
「山川加奈子」で検索
【販売先】『きくちのまんま』(菊陽)

関連記事

SNS