めんどくさい? むずかしい? くわしくない? どれだけ飲んでも、何回飲んでも、私たちはワインのことがよくわからん! ほかのお酒とはちょっと異なる「苦手意識」はどこからくるの? わからないから、聞きました。『ワインショップ クルト』の古賀さん、『ワイン食堂 トキワ』の他谷さん、長きにわたって自然派ワインに携わってきたお2人による、ナチュラルすぎるワイントークをどうぞ。

【他谷】 先日来られたお客さんで、フランス旅行に行ってワインを飲んで、それがすごく美味しくてワインに興味を持ちましたという方がいらっしゃって。とても嬉しかった。やっぱり、僕らがああだこうだと説明して飲んでもらうより、手にとって感じてもらう方が早いというか。
【古賀】 うちに来るほとんどのお客さんが一言目におっしゃるのが、「すみません、ワインにくわしくないんですけど」という言葉。じゃあビールとか日本酒にくわしいんですか? というと、そういうことではな(笑)。なぜワインは、知識がないと飲めないお酒と思われているのかなと。ビールや日本酒といったお酒と同じで、「なんとなく好き」で充分よね。実はくわしくなくても楽しめる飲みものだし、100人いたら100とおりの好みがあって当然なんだよね。
【他谷】 そう。そして僕たちは、ワインを提案しながら、お客さんの好みに近づけることしかできない。そこが難しくもあり、やりがいだなと思う。
【古賀】 ワインはそもそも、英語ですらない横文字も多い飲みものだから、お客さんは「よくわからん」と決めつけてしまいがち(笑)。また、若い頃の原体験と合わさって「しぶい」「頭が痛くなる」が擦り込まれてしまって、残念ながら選択肢に入らない。
【他谷】 もっと感覚的に楽しんでいいお酒なんだよね。好きなものを、好きなように、ガブガブと飲めばいいんです(笑)!
【古賀】 本当にそう。でも最近、「失敗したくない」お客さんが増えている気がする。世界中のワインのなかから、僕みたいな酒屋がちゃんと飲んで、美味しいと思ったものを選んで。そこからさらに他谷さんとかが、気に入った1本を買ってくれているでしょう。もっと安心して飲んでいただいていいと思うんです。「飲まず嫌い」は
もったいない!
【他谷】 食事に行くときの選択肢として、ワインが、ビールや焼酎と同列に並んでくれたら嬉しいですね。
【古賀】 日本だとワインは、おめでたいときや楽しいときに飲むお酒のイメージ。少なくともヤケ酒にワインは似合わない(笑)。だとしたら、こんなにカンパイが似合うお酒って、ほかにない!
しのごの言わずに感じちゃって
「自然派ワイン」をハシゴで頂戴!

今やひとつのワインのジャンルとして定着した、「ナチュラルワイン(自然派ワイン)」。実は熊本は、これだけコンパクトな街にナチュラルワインを楽しめるお店がどんどん広がっている注目エリアのひとつ。もちろんどこも本気モード全開で、出合えば格段に、ワインが好きになる店ばかり。楽しむコツは、頭で考えず、心で感じるコト!
やたらと旨いワインと”ならでは”の料理を
気取らない食堂で
ワイン食堂 トキワ

「ナチュラルワインをとにかく手軽に」と、メニューはジャンルレスにして敷居を低く。大阪の有名店で腕をふるい、ナチュラルワインにも造詣が深い他谷シェフが食堂というスタイルに行き着いた「トキワ」は、「ナチュラルワインとうまいもん」がコンセプト。気軽で、丁寧で、ハイレベル。そして心がほだされる。同時に、熊本“ならでは”を追求するシェフ入魂の料理がワインを加速させる。



Information
ワイン食堂 トキワ
- 住所
- 熊本市中央区坪井2-4-28 2F
- 電話番号
- 096-240-5252
- 営業時間
- 18:00~オーダーストップ22:00※火曜、金曜のみパスタランチ(12:00~オーダーストップ13:30)
- 休み
- 水曜、月2回不定
- 席数
- 14席
- 駐車場
- なし
鋭いマリアージュで
ワインと鉄板料理の魅力を拡散
KIJIYA

「食中酒としてのポテンシャルと自由な飲み心地。何より、型にはまらないおおらかさが好き」と、ナチュラルワインの魅力を語ってくれたオーナーの池田さん。実際にフランスのワイナリーに足を運んで見聞を広めるなど、その飽くなき探求心にも感服。生地を蒸し焼きにした名物のお好み焼きなどのほか、個性的な“攻め”の姿勢
を感じられる一品料理に気分もあがる。まずはグラスから、ぜひ。



Information
KIJIYA(キジヤ)
- 住所
- 熊本市中央区南坪井町7-17
- 電話番号
- 096-352-6222
- 営業時間
- 17:30~24:00
- 休み
- 月一回不定
- 席数
- 18席
- 駐車場
- なし