

ゆらゆらと揺れる炎を眺めながら、カップのホットウイスキーをいただく。誰からともなく始まる話は特に大きな相槌を打つ必要もなく、ただ、耳を傾けているだけでいい。焚き火を囲んでいるだけでこんなに心地いいものかと感動する。オリオン座、ふたご座、冬の大三角形、頭上に広がるのは満天の星空だ。空気が澄んで一番星がきれいに見える季節。だから、キャンプへ出かけよう。

どこにでも移動できる〝ソフトハウス〞(テント)と
シュラフは必須アイテム
1〜2人用の軽量かつアルミの丈夫な小型テントが巷で人気。バイクに積んで旅をしている人も多く、登山家の人たちは背中のザックにパッキングして愛用している。以前、県境の渓流の河原にテントを張ったとき、翌朝、入り口のファスナーを開けてそっと竿を伸ばし、警戒心の強い渓流魚を釣ったことがある。60年代、バックパッカーが流行したアメリカではテントを〝ソフトハウス〞と呼んだ。いつでも自然と一体になれるテントは、どこにでも持ち運びできる魔法の家。テントはこれからキャンプを始める人なら、手に入れてほしいアイテム。
大人数の家族ならば大型のテントを。身近にアウトドアに詳しい人がいたら、ぜひ一度テント泊を経験したうえで選ぶといい。また、テントを設営するならキャンプ場がおすすめ。熊本は県内各地に点在するし、水場やトイレの心配がいらないので初心者にも安心。近くに温泉施
設があれば一層便利だ。
「テントって冬は寒くないですか?」と、よく聞かれるけど、羽毛のシュラフ(寝袋)にもぐりこめば冬でも快適。慣れたら冬キャンプの焚き火が恋しくな
るが、まずは3シーズン用のシュラフを手に入れて、春から秋にかけての快適なテント泊から始めてみよう。


連休なんてなくても、片道1時間以内なら
いつでもキャンプへ!
今回は、熊本市中心部から片道60分以内という条件でキャンプ地を検討した。前回が県北の和水町だったので、今回は南へ。仕事が終わってそのまま現地に
向かうもよし、一旦自宅へ帰って荷物を持って出るもよし。連休がなくても、キャンプは楽しめるということを実証したい。場所だけ決めておけば、それぞれが都合のいい時間に集い、焚き火を囲んだ一緒の時間を過ごすことができる。いつの間にか余計なことは頭から消え、最高の癒しの時間が生まれる。
今回特別に許可を取りテントを張らせていただいたのは、宇土市の有明海沿岸にある『宇土マリーナ』、芝生の広場。もちろん芝生の上での焚き火はでき
ないが、春以降はキャンプ場として活用する計画があるらしい。熊本市からも近く、潮の香りがするこんな素敵なロケーションにまたひとつキャンプスポットが誕生するのは大歓迎。完成が待ち遠しい。






今月キャンプした皆さん

今月、特別にキャンプさせていただいたのは
宇土マリーナ
今春以降、キャンプ場として整備する計画はあるが、現在はまだキャンプや焚火ができないのでご注意。同じ宇土市の『立岡公園キャンプ場』は、管理事務所にさえ
事前に申請すれば無料で使用することが可能。焚き火も可能だ。