1. Home
  2. トピックス
  3. 熊本出身女優・倉科カナ、主演映画「あいあい傘」を語る。

熊本出身女優・倉科カナ、 主演映画「あいあい傘」を語る。

「映画が出来上がって自分の事を改めて考えた時に、しこりがスーッと取れていきました」

  • 情報掲載日:2018.10.26
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

10月26日(金)に全国ロードショーとなる映画「あいあい傘」。この作品で5年ぶりの主演を務めているのが、熊本出身の女優・倉科カナだ。市原隼人、立川談春、原田知世、入山杏奈、高橋メアリージュン、やべきょうすけ、トミーズ雅といった個性的な面々の中でも、一際存在感を放っている。25年前に失踪した父に会いに来た娘と、父の5日間が描かれた愛と絆の物語。その映画の見どころについて、タンクマに胸の内を語ってくれた。

緊張感ある中で撮られた
居酒屋での“6分間長回し”

――今作は同名の舞台「あいあい傘」を基に映画化されたということですが、主演のオファーが来たときはどのような心境でしたか?

監督の宅間さんとはけっこう付き合いが長いんですけど、もう10年くらいかな。とてもご縁のある方で。この作品は“縁”がテーマ。脚本を読んでも一人ひとりのキャラクターが個性豊かで、人間臭くて、温かくて。あと、私が演じたさつきちゃんも、私の境遇とちょっと似てる部分もあるので。さつきちゃんのように幼い頃父との別れがあり、最近になり一度再会しました。私自身そういう経緯があったから、台本を読んでさつきちゃんの気持ちがすごく理解できましたし、たぶん私がこの作品を……さつきちゃんを演じなかったら他の誰かがやるんだろうな、って考えた時に「私がやるべきだ」って強い思いもありました。脚本が本当に素晴らしいので、プレッシャーもありました。台本を読んだだけでも涙が溢れて止まらないのに、自分が演じるっていうのはプレッシャーで。でもそれ以上の「やりたい」という強い思いがありました。

――倉科さんが演じるさつきちゃんの表情がとても豊かですが、何か役作りの上で心がけたことは?

宅間監督には「私はたださつきちゃんとして、父に会いに行くという思いだけで現場に行っていいですか」とお伝えしました。そうしたら監督もそれでいいと仰ってくださって。私自身、これまで父がいなかったということに関しては全く気にしてなかったんですけど、自分の中の潜在意識のどこかにやっぱり“しこり”みたいなものがあった気がして。そのしこりだったり痛みだったりを糧として、種として、さつきちゃんをどんどん育てていったという感覚です。とは言っても脚本の時点でさつきちゃんがとても豊かに描かれていたので、脚本の中にいるさつきちゃんに命を吹き込みやすかったです。

――居酒屋でお酒を飲みながら、感情的に想いを吐き出すシーンは圧巻でした。

あれが本当に酔っ払った時の倉科カナなんじゃないか、なんて思われたりして(笑)。いや、実際はあのシーンは飲んでなかったんですけどね。監督からは「お酒は飲んでるけど、酔っ払った芝居にはしてほしくない」というオーダーがあって。父へも母へも、それぞれに想いがあるわけで。それを語るわけだから単なる酔っ払いにはしてほしくないって。ちゃんと気持ちを繋げていくのはとても難しかったですね。6分間の長回しだったので、そう何度もできないとあってスタッフさん含め現場は緊張感がありました。撮影の後、あの現場で飲んだんですよ。市原くんと、やべさんと、メアリーちゃんと4人で。

――共演者の方たちとも仲が良かったのですね。

そうなんです、すごく仲が良いんです! 和気あいあいとしていて、でもみんなプロなのでその現場に入るとスイッチが入るんです。立川談春さんと原田知世さんとは、私はちょっと距離を置いていました。というのも、今回の役柄として“距離感”が一番必要だったので。でも、それもちゃんと理解してくださる方々で。スタッフさんもキャストの皆さんも、本当に温かい方たちばかりでしたね。

揺れる想いが結実する
感動のラストシーン

――登場人物それぞれが傷を負っているというか、みんな悪くないというのを感じました。お父さんである立川さんも傷を負っているし、娘さん役の入山杏奈さんもそうだし。観ていて、それぞれの気持ちが痛いほどわかる。だからこそ全員に感情移入できました。

みんな絶対何かあって生きているから、たぶん感情移入するんだと思うんですけど、さつきちゃんとしてはその痛みも分かった上だからこそ、歯がゆいんですよね。心では分かってても頭が理解してなかったり、頭で分かってても心がごねたりとか。それを周りの人たちが少しずつ私を溶かしていく。だからこそ最後に父と会ったシーンを観た方は、どうするんだろう、ってきっと感じると思います。

――確かにラストシーンはどうするんだろうって、すごくドキドキしました。

難しいですよね。でもそこが人間臭くていいんですよね。

熊本の人たちの心に
何かが灯ればいい

――演じていて、ご自身のご家族を思い出す瞬間はありましたか?

母の事をしゃべってるシーンでは、ちょっと浮かんだかもしれないです。さつきちゃんのお母さんと私の母と違う部分もありますが、でも重なっている部分があって。映画が出来上がって自分の事を改めて考えた時に、ちょっと救われました。しこりがスーッと取れていったというか。私自身、すごくスッキリしました。一度歩みを止めて、周りを見て。愛って国境も性別も年代もすべて越えていくから、この映画を観て自分の大切にすべきものは何なのか、思い出していただけたら嬉しいです。……実は、たぶん私の母もこの映画を観てくれていると思うんです。何て言われるかちょっとドキドキします(笑)

――熊本地震復興映画『いっちょんすかん』や熊本復興ドラマ『ともにすすむ サロン屋台村』など、今年は熊本でのお仕事も多くされていますよね。この映画も、熊本の方も多く観られると思います。

私、本当に熊本が大好きで。しょっちゅう帰ってくるくらい大好きですし。あと、やっぱり熊本地震の後に何も出来なかったから。私に何かできることがあれば、と思ってます。……東京にいて、安全なはずだし、全然痛くない。家族も何ともなかったし。でもすごく苦しくて。とにかく何か皆さんの力になれれば、っていう思いしかないです。映画を観てくださった方の人生がちょっとでも豊かになればいいなって。皆さんの心に何かが灯ればいいなって思います。言葉で表現するのは難しいんですけど、とにかく熊本が大好きです。熊本の方は本当に熱い気持ちをお持ちだし、温かい方が多いじゃないですか。その割に、照れ屋だったり(笑)。言ってることと気持ちが違ったり。でもそういうところもすごく好きで。でも、たまには素直に「愛してる」って表現してみるのもいいのになって。東京でも、熊本の人たちは仲がいいんですよね。高良(健吾)くんだったり、スタイリストの馬場圭介さんだったり。仲いいですね。みんな熊本が大好きですから。

Profile
1987年生まれ、熊本県熊本市出身。NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』(2009~2010)で主演を務め、注目を集める。その後も多数の映画・ドラマなどに出演し、多彩な役柄を演じる女優として活躍。主な出演作に、映画『夢売るふたり』(2012)、『キッズリターン 再会の時』(2013)、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』(2013)、『珍遊記』(2016)、『3月のライオン』(2017)、TVドラマ『刑事7人シリーズ』(2015、2016、2017)、『奪い愛、冬』(2017)、『春が来た』(2018)など。映画『いっちょんすかん』(2018)、ドラマ『ともにすすむ サロン屋台村』(2018)など、今年は熊本地震復興作品にも複数出演。

STORY
大切な人を思い出す家族の愛の物語

25年前に姿を消した父・六郎(立川談春)を探しに、小さな田舎町へやってきたさつき(倉科カナ)。宿に向かう途中、偶然にも六郎を知るテキ屋の清太郎(市原隼人)と出会ったさつきは、「祭りの取材をしたい」と嘘をついて彼に町案内してもらうことに。父はその町で家庭を築き、内縁の妻・玉枝(原田知世)や一人娘・麻衣子(入山杏奈)と暮らしていた。いったいどんな暮らしをしているのか、なぜ25年間会いに来てくれなかったのか……悲しみや怒りを抱えつつ、少しずつ六郎のことを知っていくさつき。そしてついに訪れる再会の時――。逢いたいのにずっと逢えずにいた父と娘の愛にあふれた5日間の物語。

10/26(金)、「TOHOシネマズはません」、「TOHOシネマズ光の森」にて公開

(C)2018映画「あいあい傘」製作委員会

この記事はどうでしたか?

Facebookでも情報を配信しています。
ぜひフォローをしてください。

関連記事

SNS