ドラマ「めんたいぴりり」、「めんたいぴりり2」などで高い評価を得て、最近は映画でも活躍している映像監督・江口カンさんが来熊。2018年10月末にDenkikanで上映された「ガチ星」について、そして2019年1月18日(金)より全国ロードショーの「映画 めんたいぴりり」について話を聞いた。

チャレンジに年齢制限なし!監督の熱い思いが全編に
―映画「ガチ星」を製作することになったきっかけについて教えてください。
テレビで見た競輪学校のドキュメンタリーに、20代半ばでホークスを解雇され、第二の人生を競輪学校で送る人が出ていたんです。周りは10代の子ばかりで、すごく苦しそうだった。その姿が僕の心に無性に刺さったんです。「何かをやりたいけど、年齢的に遅いかも」という僕の中の焦りとシンクロしたんです。それで、彼をモデルにした映画を作ろうと企画を出したんですが、原作がないし、競輪そのものがテーマや舞台として親近感がない。なかなか相手にされなかったけど、それで逆に燃えたんです。そこで、周囲の人たちの提案でテレビドラマとして形にしたら評判がよかったので、劇場でかけることにしました。
―実際の製作現場で印象に残ったことは?
レースのシーンでは、役者さん以外は現役選手が走ってくれたんですが、こちらが考えていた試合運びを「こうした方がいいんじゃないか?」と、寄ってたかって現場でどんどん変えていくんです(笑)。でも、おかげでリアルになったと思います。
―本作のあと、すでに2本の映画を撮られたそうですが?
一本は『めんたいぴりり』という、明太子の「ふくや」さんの話をベースにしたものです。もう一本は漫画を原作にした『ザ・ファブル』で、V6の岡田准一さんが主演です。
―読者へのメッセージをお願いします。
男性も女性も、「年だから」みたいなことを周りから言われるけど、実は自分でもそういう壁を作ってるんじゃないか?「人間はいくつになってもチャレンジできる」という思いを込めましたが、それをエンタメにしたかった。最近の韓国映画のように、強いテーマ性がありながら、ちゃんとエンタメになっている作品が理想ですから。人生のひどい沼みたいなところでもがく主人公の姿は、シリアス過ぎてつらいかも知れない。でも僕はそれをむしろコミカルだと思って、ある意味コメディとして撮りました。自分で作ったものだけど感動できたし、すごく面白かった。皆さんにも楽しんでいただきたいと思います。
福岡が舞台の人気作!
「ふくや」創業者をモデルにした“明太子”ヒストリー
〜「映画 めんたいぴりり」〜

日本で初めて明太子を製造し、販売した福岡・博多の「ふくや」創業者・川原俊夫。商標登録も製造法特許も取得せずに、地元同業者に製造方法を教え、博多名物として定着するきっかけを作った男。そんな川原の人生をモデルに、戦後の混乱期を乗り越え、経済は復興から成長へとシフトしていく昭和を背景に描く感動物語。
◆博多華丸、富田靖子など、福岡出身の豪華キャスト競演!
「ふくや」創業者・川原俊夫の波乱万丈の実話を基にした「ふくのや」の主人、海野俊之を演じるのは、福岡出身の博多華丸。俊之の妻、千代子役に同じく福岡出身の富田靖子。製作にあたって「福岡産」にこだわりを持ち、博多大吉が友情出演、田中健、でんでんや吉本美憂など、福岡県出身者の豪華競演が実現。さらに、高田延彦、柄本時生、中澤裕子が出演して脇を固めている。
◆「めんたいぴりり」とは……?
2013年にテレビ西日本で、地方局制作としては珍しい連続ドラマ形式で放送されて、日本民間放送連盟賞優秀賞、ATP賞ドラマ部門奨励賞、ギャラクシー賞奨励賞を受賞するなど話題を呼び、2015年に続編「めんたいぴりり2」が放送され、その後、2015年に「めんたいぴりり~博多座版~」として舞台化もされた。
インフォメーション
■映画 めんたいぴりり
辛子明太子の老舗・福岡「ふくや」の創業者・川原俊夫の生涯を描いたテレビドラマの劇場版。主要キャストはすべて福岡県出身者。2019年1月18日(金)より、新宿バルト9ほかにて全国ロードショー(熊本は『ユナイテッド・シネマ熊本』にて同日より公開)
■ザ・ファブル
南勝久の同名コミックの映画化。伝説の殺し屋として裏社会で恐れられた男の生きざまを描く。岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、佐藤浩市、安田顕といった豪華キャストが出演。2019年6月公開予定。
