2019年4月、熊本地震から3年が経った。今なお復興は半ばで、各所で様々な動きが起こっている。そんな中で、熊本地震の記憶をしっかり胸に留め、伝えていきたい3冊の本を紹介したい。
まず、『竜之介動物病院』の院長・德田竜之介氏の奮闘ぶりを描いた児童書『竜之介先生、走る!』。地震直後から「ペット同伴避難所」を開いてのべ1,500組の動物と飼い主さんを救った当時の様子や避難所運営の苦労などが記されている。


「災害は時間と共に忘れてしまいますが、私たちの教訓を全国に伝えなくてはなりません。同伴避難の必要性をわかってもらうためにも、ペットを飼っていない人にも読んでいただきたいです」
德田竜之介さん
映画の解説や文筆で活躍する上妻祥浩氏は、自身の被災体験を『熊本地震で微妙に被災した家族の日記』として上梓。


「熊本地震の際に我が家は半壊状態になり、私たち家族は避難所で3週間生活しました。被害の程度にかかわらずいろんな体験談が世に出るようになればと思い、この本を執筆しました」
上妻祥浩さん
そして、熊本市男女共同参画課からは『平成28年熊本地震 熊本市女性職員50の証言』を刊行。熊本市女性職員が業務と家庭生活等の両立に悩みながら、それぞれの立場で災害復旧・支援に従事してきたその体験や思いを綴った50人の手記を取りまとめた「証言集」だ。読めば力が湧いてくるこれら3冊の出版物、気になった方はぜひ。


「家庭生活等の両立に悩みながら災害業務にあたった経験や思いを綴った熊本市女性職員の手記です。今後、予期せぬ災害への備えとしてご活用いただければ幸いです」
東原福美さん