一福ラーメン

当初は3ヶ月もたないと言われたけど、45年繁盛してます
先代が脱サラし『一福ラーメン』の暖簾を掲げた昭和49年8月、熊本は高度経済成長の真っ只中。旧浜線通りには御船や甲佐から切り出した材木を取り扱う卸売会社が立ち並び、好景気に後押しされ戸建て住宅の建設ラッシュが起きていたそうだ。
「当時、大工や職人さんは深夜まで作業をしていて。『こんな時間に家に帰っても食べるものは残ってないから』って、うちで夜食をとっていたんです。時代の後押
しもあり、1日の売上が父がサラリーマン時代にもらっていた月給を上回るほど繁盛しました(笑)」と振り返る2代目。
面白いエピソードがある。当時は流通団地周辺まで田畑が広がっており、夕方、殺虫剤を撒くと虫が一斉に大移動。「灯に誘われて店内に入ってくるしお客さんの丼にポトンポトン落ちるから、早めの店じまいを余儀なくされることもあった」そうだ。虫も集結するほどの賑わいと明るさが、当時の旧浜線通りにあったという証拠だろう。
「街に近く、ショッピングモールや病院も充実している。時代は変わっても変わらない、住みやすさがこのエリアの魅力」と分析する2代目。同店の味も同じで、3世代にわたる常連さんのために「創業当時の味をいじらず」を信条としている。豚骨なのにアッサリしたスープが胃袋にじんわり染み渡り、懐かしさを感じるのは私だけではないはずだ。味は変えないが、ペイペイなどのモバイル決済をいち早く取り入れるなど、時代の流れを柔軟に捉える懐の深さもいい。
Information
一福(いっぷく)ラーメン
- 住所
- 熊本市南区出仲間5-2-8
- 電話番号
- 096-378-4071
- 営業時間
- 10:00~15:00/17:00~20:00
- 休み
- 不定
- 席数
- 12席
- 駐車場
- 3台
- 備考
- カード利用:不可
にんじんはうす

土日は来店客1500人! 地域に愛されてきた店です
「免許を取りたての頃にドライブをしていて、『田んぼの真ん中にポツンとレストランがあるなぁ〜』って、この店のことを見ていたんです。まさか働くことになるなんて思っていませんでしたから、縁って不思議ですよね(笑)」と振り返る料理長の田中さん。働き始めたのは約30年前。当時は飲食店自体数が少なく、レストラン
は家族揃って訪れる特別な場所だった。モダンな雰囲気の店内とおしゃれなメニューを揃えた同店は、平日でも常に満席、土・日曜はオープン前から大行列ができ1日に1500人も訪れるほどの賑わいをみせたそうだ。
当然、厨房の中は戦場のよう。洗い場だけで7〜8人スタッフを配置してやっと回していたそうで、支えてくれたのは周辺の住宅街に住む学生アルバイトやパートのお母さんたちだったとか。「学生バイトからパパママになり、お客さんとして家族づれで来てくれる人や、『子どもの頃に連れてきてもらった思い出の店です』と、バイトの面接にくる人も多いんですよ」と語る料理長。まさに地域と共に歴史を歩んできた一軒と言える。
過去に火事で消失し3年近く休業を余儀なくされたこともある。熊本地震で大きな被害を受けたことも。それでも知恵を絞り、流行りのメニューを取り入れ、今へと歴史を繋いできた。訪れたらぜひ、創業当時からの4大人気メニュー、ハンバーグ・ステーキ・グラタン・釜飯のいずれかを注文してみて。40年に渡り、愛され続ける理由がわかるはず。
Information
にんじんはうす
- 住所
- 熊本市東区画図町重富436-2
- 電話番号
- 096-379-1110
- 営業時間
- 11:00〜23:00(オーダーストップ22:00)
- 休み
- なし
- 席数
- 162席
- 駐車場
- 60台
- 備考
- カード利用:不可