各局アナウンサーPROFILE&ラグビーW杯見どころコメント






ラグビーW杯の見どころを各局アナウンサーが徹底トーク!

――まず、ラグビーの魅力を教えてください。
郡司)私は高校時代、ラグビー部でした。15人でパスを回すラグビーは最もチームワークが試されるスポーツ。ボールが楕円形で、落ちた後どっちへ向かうか分からないのも面白いところで「一生懸命走った選手のもとへ転がって行く」とも言われます。
吉田)足の速い選手もいれば、力の強い選手もいる。たとえ、ほかのスポーツで挫折しても高校からラグビーを始め、ヒーローになる選手もいます。得意を生かして不得意を別の選手がカバーする。個々の特長や個性が発揮され、多様性に富んだところも魅力。
上野)NHKではラグビー中継をするとき、副音声でルールの解説を行うことがありますが、細かいルールはさておき、簡単に言えば「行け、かませ、走れー!」のいわば“陣取りゲーム”。とてつもない巨漢がスピード感をもって生身でぶつかり合う迫力は純粋に楽しめるかと。
郡司)もう格闘技ですよね。
吉田)グラウンドから聞こえてくるもの、「ボコッ!」ってぶつかり合う音が。これぞ会場で味わえる臨場感!
田中)僕が一番惹かれるのは、男臭さ……。いや、そういう意味じゃないです!
(一同、爆笑)
田中)ヒゲを生やした“男が憧れるオトコ”たちが繰り広げる力のせめぎ合いや、全速力の相手にタックルする勇気とか。場面ごとに見どころがあるんです。
宮澤)私は取材で地元中学生のラグビー練習会に参加させてもらい、ボール片手にスクラムから抜け出せたときはすごく気持ちよかったです。今年熊本で観戦したトップリーグカップで、パスを受け取った選手が一気に抜け出したときは「わぁっ!」と大歓声。エキサイトする瞬間を共有でき、一体感のあるスポーツだと感じました。
――日本が勝ち上がるためのキーマンは?
吉田)私は荒尾(現・岱志)高校ラグビー部出身の流大(ながれ ゆたか)選手です。彼の高校時代から取材していて、ファンの一人としてもぜひ活躍してほしい。戦術的な話をすると、日本代表はキックを使う戦い方に力を入れているんです。流選手は密集からボールを出したりパスかキックかを判断したりするスクラムハーフというかじ取り役のポジション。彼の場合、キックが上手でスピードもあり、判断が早くて体力もある。
一同)(感心して)おぉ〜!
吉田)リーダーシップにも優れ、高校、大学、トップリーグ、日本代表と全てのチームでキャプテンを経験しています。競争の激しいポジションですが、大注目したい選手。
郡司)熊本と関わる唯一の代表選手ですから、ぜひ活躍してもらいたいですね。
上野)ボールを受け取る選手もまたキープレイヤーでしょう。福岡高校出身の福岡堅樹選手がまさにそのウィングというポジションで、日本が誇るトライゲッターです。相手より後ろにいてもスピードで振り切り、トライできる。彼のスピードがあるから新しいバリエーションのキックが生きます。流選手がボールを繋ぎ、福岡選手にどれだけパスを通せるか。九州人同士の活躍にも期待しています。
――海外で注目の国や選手は?
上野)熊本で試合するウェールズは、ラグビーの歴史で、かつては世界最強といわれながらワールドカップでは優勝できていないので、悲願の優勝となるか。
吉田)選手だとスコットランド代表のスクラムハーフ、グレイグ・レイドロー選手。前回大会では日本がこの選手に翻弄されたので。彼のいるスコットランドは日本と同じプールA。流選手とのスクラムハーフ対決が実現すれば、見モノですね!
郡司)「なぜ、この選手がこのポジションをやっているの?」というのが世界では常識。身長2m、体重100㎏もの人が50mを6秒前半で走るスポーツ、他にないでしょう。規格外の選手たちの活躍を目の当たりにできるのもワールドカップの醍醐味。日本代表は海外選手と比べて小柄なので、それを補うスピードとスタミナをいかにつけるか。2人がかりで倒すところを1人で倒すとか相手より走って優位性を保つことが、勝利の鍵になると思います。
――最後に、ラグビーW杯をどのように伝えたいですか?
宮澤)私は新人で取材経験も浅いので、ラグビー初心者の皆さんと同じ目線で「ルールを知らなくてもこういうところが面白い」といった、たとえば対戦国の文化や日本との違いなどを伝えていきたいです。
田中)関連するイベントや商品も増えていますから、熊本でラグビー熱が盛り上がっていることを報道して熊本の「わさもん気質」をくすぐることが、私たちテレビ局の役目と思っています。
上野)ちょっとしたことから興味をもってもらえることは色々あると思うので、周辺情報を含めてお伝えすることでキッカケづくりをお手伝いしたいですね。
吉田)実況中継したいです!(笑)放映ルール上、出来ないことは分かっていますが、アナウンサーですから。2002年の日韓サッカーワールドカップのとき、ものすごくサッカー好きじゃなくても「何だか楽しそう、盛り上がっちゃえ!」ってムードだったと思うんです。ラグビーW杯では、それ以上の気運を作りたい。ボランティアの皆さんやボールボーイをする県内高校生など関係者にもアンテナをはり、ルールが分からなくても「お祭り」として参加してもらえたら。
郡司)ラグビーと過ごした高校時代の私にとって、ワールドカップは遠い世界のことでした。自分たちの住む街で開催されることのすごさをお伝えしたいですし、これをキッカケに将来、熊本がラグビーの盛んな県になれば。未来へ繋がる報道ができれば嬉しいです。