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【インタビュー/高橋理子】表現に用いるのは円と直線のみ。限られた中で無限の可能性を追求する

  • 情報掲載日:2019.04.24
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。
【PROFILE】1977年生まれ。東京藝術大学で染織の歴史や伝統技術を学び博士号を取得。現在独自のブランド『HIROCOLEDGE』を展開
【PROFILE】1977年生まれ。東京藝術大学で染織の歴史や伝統技術を学び博士号を取得。現在独自のブランド『HIROCOLEDGE』を展開
原点は、モノづくりに携わる家族の姿

 目にした瞬間、体に衝撃が走り、視線を外らせなくなるほどの存在感。着物の概念を覆す大胆な色使いと、円と直線だけで表現する斬新な図柄が国内外から高く評価され、様々な企業や産地とコラボレーションしているアーティストが高橋理子さんだ。これまで手がけた作品は、ミスユニバース世界大会で優勝した森理世さんのナショナルコスチュームや、九重部屋の浴衣をはじめ、バッグやアクセサリー、ルームフレグランスなど多岐にわたる。
 異色のアーティスト誕生の始まりは、小学生時代まで遡る。当時、世界のコレクション情報を紹介するテレビ番組『ファッション通信』がスタートし、ブラウン管の中を歩くモデルたちを見た瞬間、魅了されてしまったそうだ。ここで普通なら「モデルになりたい!」と考えそうだが、高橋さんが憧れたのはデザイナーの方。というのも、高橋さんの父親は左官職人、祖母や母親は洋裁や編み物を得意とし、買い物と言えば「既製品ではなく、材料や道具を買う」という日常で育ったそうだ。「モノづくりが当たり前の環境でしたから、私も小学4年で自分用のセーターを編んでいました。中学時代は『デザイン画を千枚以上く!』って決めて必死に取り組んでいましたね(笑)」と振り返る。

そぎ落とされたデザインが「足るを知る」きっかけに

転機が訪れたのは大学時代。「自分が本当に作りたいモノを追求すると、生地からオリジナルを作らないとダメだ」と気づき、染織の技術を学ぶために『東京藝術大学』へ進学。そこで資料として目にした着物が、固定観念を打ち壊したという。
 「洋服の場合は型紙に合わせて裁断するので、どんなに丁寧に生地を染めてもゴミになってしまう部分が出るんです。でも反物は、12mの反物を余すことなく活用できる。『なんて合理的なんだ!』って惚れ込みました」と振り返る。他にも、大胆に世界観を表現できる構造や、活動を通して日本の伝統技術を継承していける点も着物への探究心をかきたてたそうだ。とはいえ、国内の和装需要は下火になる一方。「どうしたら若い人が興味を持ってくれるか?」と試行錯誤し、行き着いた答えが〝ドット柄〞だった。以来、ぶれることなく円と直線のみで図柄を構成し、着物の新境地を切り開き続けている。
 「よく『円と直線だけで表現を続けるのは大変ですね』と言われますが、選択肢が増えれば迷いが生じるし、広く浅い作品になるから逆に難しいんです。限られた中で無限の可能性を深掘りするからこそ見える世界がある。それを追求していきたいですね」。
 そぎ落とされたデザインは、物が溢れている世の中へ「それでいいの?」という問いかけも含まれている。本当に大切なものを考えるきっかけをくれる高橋さんの作品。小物はウェブでも購入できるのでチェックしてみて。

「着物をきたら女性らしくおしとやかに」という固定観念を覆す仁王立ち。これらは、高橋さん自身が自作の着物を身にまとった一連のポートレート作品シリーズ。そこには「着物や日本文化、さらには豊かさの本質など、さまざまなことを考えるきっかけになれば」との思いが込められている
「着物をきたら女性らしくおしとやかに」という固定観念を覆す仁王立ち。これらは、高橋さん自身が自作の着物を身にまとった一連のポートレート作品シリーズ。そこには「着物や日本文化、さらには豊かさの本質など、さまざまなことを考えるきっかけになれば」との思いが込められている
着物・浴衣は、東京スカイツリーのすぐ近くにあるスタジオでのオーダーメードのみ。そのほかの商品はウェブでも購入できる
着物・浴衣は、東京スカイツリーのすぐ近くにあるスタジオでのオーダーメードのみ。そのほかの商品はウェブでも購入できる

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