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TANKUMA SPECIAL INTERVIEW

【TANKUMA SPECIAL INTERVIEW】末永産婦人科医院 師長 助産師/リンパ浮腫複合的治療技術者・末永 明子さん

いつまでも輝きたいから常にアップデートをし続ける

  • 情報掲載日:2020.03.23
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

 がん克服の先にある病“リンパ浮腫”。密かに悩んでいるがんサバイバーも多いが治療の歴史はまだ浅く、専門家も少ないのが実情だ。そんな中で、リンパ浮腫治療の数少ない専門家として活躍する末永明子さん。現在に至るまでの想い、そして歩みとはーー。

悩める女性がんサバイバーの救世主
“リンパ浮腫複合的治療技術者”として

 「宝物は、この手! ここから患者さんの沢山の情報が伝わってくるから(笑)」。そう快活に応えてくれたのが産婦人科医院の師長・助産師であり、まだ数少ない“リンパ浮腫複合的治療技術者”として活動している末永明子さんだ。

 そもそもリンパ浮腫という病自体の認知度が低く、その治療に取り組む医療施設も多くはない。そんな中で専門の治療技術者になることを新しい道として選んだきっかけは、熊本地震だった。
「病院が大規模半壊となり、分娩室も再開のめどが立ちませんでした。自分は助産師なのにすることがなくて、どうしようかと。そんな時にがん治療を専門とする院長から、『今後はより、がんを患った患者さんの継続的なケアに取り組みたい』と言われ、特に悩んでいる方が多いリンパ浮腫の専門資格に、私もチャレンジすることにしました」。

 2017年に学び始めて2018年に資格を取得したが、そこには大きな困難もあった。「勉強を始めたのと同じ頃に、大分に住む両親の介護問題が起きました。車で片道3時間半を行き来しながら、遠方での研修などにも参加。今思えば人生で一番大変だったし、院長にも『今回はやめたら?』と言われたけれど、『ここでやめたら人間として負ける!』と思ったのでプロとしての意地でやり通しました。だから合格発表の時には号泣したんですよ! この私が!(笑)」。その時のことを思い出す末永さんの目が少し潤んでいたようにも見えたのは、気のせいだろうか。

治療は約1時間で、リンパドレナージュは患部だけではなく全身に渡り丁寧に行う
治療は約1時間で、リンパドレナージュは患部だけではなく全身に渡り丁寧に行う
圧迫療法で使用する特殊な弾性包帯。“モビダーム”(右)は、ウレタン製のスポンジ入り
圧迫療法で使用する特殊な弾性包帯。“モビダーム”(右)は、ウレタン製のスポンジ入り

 それから2年、“リンパ浮腫複合的治療技術者”として既に200例以上の実績がある。治療は弾性包帯や弾性ストッキングで患部の圧迫を行い、併せて末永さんの手によるリンパドレナージを行うが、リンパ液の流れを促すためには患部だけではなく、首や鎖骨、脇の下、腹部など全身に及ぶ。「自分の手の感覚で、『今、リンパが流れた!』って分かるんです」。そしてその治療で救われた患者から、「ずっとついて行きます!」と言われたこともあるそう。

 「患者さんの状態を観察して評価し、治療のプロセスを考えるという“頭脳労働”が好きで、結果が出た時には、『よっしゃ〜!』ってなります(笑)。ただリンパ浮腫については情報のアップデートが本当に早いので、常にアンテナを張っておくことが大切。それが周りから信頼を得て、いつまでも輝くための秘訣だと思います。働き盛りの若いがんサバイバーも増える今、まずはリンパ浮腫を知って欲しいし、熊本でのネットワーク作りにも取り組んでいきたいです」。

末永さんの宝物は、この手。直接肌に触れられると温もりと優しさ、パワーが伝わってくる
末永さんの宝物は、この手。直接肌に触れられると温もりと優しさ、パワーが伝わってくる
プライベートでは大の猫好きで、今は“あんずちゃん”と“金時くん”が家族の一員
プライベートでは大の猫好きで、今は“あんずちゃん”と“金時くん”が家族の一員

profile

1968年、大分県生まれ。就職先で末永義人院長と出会い、1999年の結婚を機に熊本へ。「結婚指輪を買いに行ったのに、連れて帰ってきたのは猫ちゃんだった」というほどの愛猫家で、運転するのはマニュアル車のみ。県外在住の長女と高校2年の長男がおり、現在は夫・長男・愛猫2匹の5人暮らし。

【リンパ浮腫】

リンパ節切除や放射線照射を伴う乳がんや子宮がんなどの治療の影響で、腕や脚の皮膚下に体液が過剰に溜まる疾患。だるさや重さ、そして動きを妨げるほどのむくみが起こり、がん治療から相当の時間が経ってから気づくことも多い。完治は難しいが、治療専門家によるリンパドレナージや圧迫療法、運動療法などの複合的治療でQOLの向上を目指す。

infomation

「わかりにくい場所でわかりやすい説明を」を目標に、共に治療を担う院長とスタッフ
「わかりにくい場所でわかりやすい説明を」を目標に、共に治療を担う院長とスタッフ

婦人科一般に加えて、更年期・思春期・漢方・リンパ浮腫の外来も行い女性のライフスタイルをサポート。末永義人院長が特に力を入れているのは子宮頸がんの早期発見と治療で、専用レーザーによる日帰り手術にも対応。

末永産婦人科医院
[TEL]096-352-7280
[住所]熊本市西区二本木2-10-3
[診療時間]9:00〜12:00/13:30〜18:00
(土曜は9:00〜15:00、月・木曜の午後は13:30〜19:00)
※リンパ浮腫外来は完全予約制

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